ページ

全身への電子線治療




<全身への電子線治療に伴うリスク>
全身への電子線治療は大きなリスクが付きまといます。特に高齢者の場合は治療後の回復に時間が必要となるかもしれません(受けた身としての個人的感想)。放射線の一種である電子線を全身に浴びる訳ですから当然だと思います。私が治療前にリスク(可能性)として言われたのが、①造血障害、②汗腺へ影響が出て汗が出なくなる⇒むくみ、③全身の爪がとれる、④体毛が抜ける(頭頂部を除き)、⑤涙腺に影響が及びドライアイになり、白内障⇒最悪は失明、⑥EDになる(担当医曰く:バイアグラを使えば性行は可能です)だったでしょうか??とにかく皮膚に特異的に影響が出るものの、体調がおかしくなります。その影響が顕著になるのは人にもよりますが治療が終わって二週間後でしょうか。

<ポーズ>
治療はリニアック(照射機)をグルッと横に回して、木製の台の上(階段)に上り、横方向へ電子線を照射する方法で行われます。パンツ一枚の下着姿で立ったまま身体の前を中心とした三つのポーズ、次の日は後ろを中心にした三つのポーズ、これを1セットにして行われます(たしか二週間程度だったと記憶してます)

<コンタクト鉛>
リニアックの部屋に入ると、下着姿になり用意してある鉛のコンタクト(写真)をします。装着前に鎮痛点眼剤を使いますが、さすがに自分で入れる事は出来ず、医師や看護士に入れて頂きました。このコンタクトは厚みがあるので目の中心部に付けるのが難しく、医師や看護士、そして放射線技師の方々皆が苦労しておられました。私も失明するのは避けたいわけで必死になって付けた状況でした。

<照射開始>
コンタクトを付けると光は漏れますが視界は無いのですから、技師に手を引いて頂きながら恐々と前述の台の上に上って治療が開始されます。台の両脇には掴む物を用意して頂いてあるので、それを掴みながら技師の手取り足取りの指導のもとポーズを決めます。準備が終わると「いいですか~?頑張ってください~」の声、そして遮蔽ドアの閉まる音、スピーカーから「いいですか~始めますよ~」の声に続いて「ブ~~」というブザーが鳴り、70~80を数え終わると終了です。

<照射終了>
ブザーが鳴り終わると共に遮蔽ドアが開く音、そして皆様のガヤガヤという声と「お疲れ様~」の声。こちらも緊張が解けて、また長い間ポーズを決めていましたのでヨロヨロとしてしまいます。技師が近くに来たのを見計らい、顔を下に向け目をホチホチとしてコンタクト鉛を手の上に落とします。これで終了。
終了直後は急性の白内障になるなどして病室に戻るのも難儀な日もありました。これを看護士に話すと何故呼ばなかったの?って怒られましたが、その時は必死でしたから。
病室に戻ると用意してある生理食塩水を目薬の点眼補助具(穴の開いた所を指で塞いで食塩水を入れます)に入れ眼球を洗いました。

私が入院した大学病院でこの治療を過去に行ったのは二年前だったと聞いています。従って見学の方々や照射量を確認するため検査の方々も多く居られたり、技師の研修の時期と重なっていたので多い時は10~13名にもなってました。仕事とはいえ私の治療に多くの人が関わるのを目の当たりにしてちょいと感激した期間でした。
通常、電子線は肉眼では見えない様ですが、私の場合、チラチラと鋭い光がリニアックの照射口から見えました。これを技師に話すと視神経を直接刺激して見える体質の人は僅かとのことでした。
Powered By Blogger